猫に限らずペットと暮らすということは共に生きていくということ、迎え入れた以上は最後の時が来るまで面倒を見なくてはなりません。
当たり前のことですが猫は毎日ご飯を食べ、病気になれば医療費だってかかります。
では「1ヶ月あたりの費用はどれくらいかかるのか」「生涯費用はどれくらいかかるのか」 猫と暮らすことを検討している人は、とても気になることだと思います。
そこで今回は、猫の一生涯にかかるお金の話と上手な節約方法についてお話しします。
この記事の目次
猫の生涯に必要なもの・費用(基本飼育費用)
最近では完全室内飼いで猫を飼う人が多いため、猫の平均寿命は年々伸びておりおおよそ15歳前後といわれています。
もちろん猫種による違いや持病の有無にもよりますが、なかには20歳以上生きる猫もいて、筆者である私の飼っている猫も19歳を超えています。
ここでは猫の生涯を15歳と仮定して、一生涯にかかる費用についてお話ししていきます。
餌代(ドライフード・猫缶)
まず必要なのが餌代、ほとんどの猫は1日2回の食事ですが、1日あたりの必要量は猫の体重によって変わってきます。
仮に猫の体重を5kgと考えれば1日の必要量は約80gとなり、2kg入りドライフードを25日で消費する計算になりますね。市販の人気猫用ドライフードなら2kgで1500円前後なので、年間で約22,000円かかります。
ちなみに筆者である我が家の場合は、医療用のドライフードを買っているため2kgで約4000円、2匹いるため年間で約96,000円程度かかっています。
猫の健康を考えれば粗悪なフードは、決しておすすめすることはできません。
しかしながら少しでも節約したいのは飼い主さんとしても当たり前のこと、フードの質を落とさず上手に節約するには、ネット通販やペットショップのポイントを活用するのがおすすめですよ。
猫のトイレ用品
猫のイレ用品の費用は、最近主流のシステムトイレを使った場合で計算してみます。
システムトイレに必要なものは、トイレ本体・猫砂・専用トイレシートの3種類なので、それぞれについて考えてみましょう。
まずトイレ本体は約3,000円程度ですが、基本的に普通に使用していれば壊れることはないので3年使用すれば、年間約1,000円になります。猫砂と専用トイレシートは、メーカーや取り替え頻度にもよりますが、2種類で年間約3万円前後かかります。
猫が病気になったり持病があったりする場合は取り換え頻度が増えるため、もう少し費用は増えるかもしれませんが、猫トイレ用品代は年間約30,000円程度でしょう。
ワクチン代
猫を飼う場合はワクチン接種を受けさせることが必要となり、基本的には1年に1回ですが子猫の場合は年間に2回受けなくてはなりません。
ワクチンには3種混合と5種類混合があり、3種混合はウイルス性鼻気管炎・カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症を予防するものです。
費用は病院によって違いもありますが、年間約5,000~1,0000円程度の費用を計算しておきましょう。
不妊去勢手術代
将来的に子供を産ませたいと考えている場合は別ですが、不妊去勢手術が必要になることもあります。
不妊去勢手術は、発情期のスプレーや鳴き声防止以外にも、病気の予防にもつながるため可能ならばしておいたほうがいいでしょう。
手術費用はオスのほうが安く約10,000円程度、メスは入院が必要なこともあるので費用はそれよりも高くなり約20,000円程度かかります。
食器代
猫を飼う場合は餌やり用の食器が必要ですが、必ずしも猫専用のものでなくても構いません。
家庭にある食器や市販の気に入ったものを使用してもいいですが、 猫が食べやすい大きさと深さのある物で、食べた時に動かないようある程度の重さがあるものが適しています。
高齢になったり病気になったりすると、やや高さのある食器が適していることもあるので、 猫の状態に合わせて買い換えるといいでしょう。
基本的に割れない限りは使うことができるので、かかる費用は一生涯で2,000円もあれば十分、節約したい場合は余っている食器や100円ショップなどを利用するのもおすすめです。
キャリーバッグ
動物病院へ連れて行ったり普段の寝床代わりに使ったり、キャリーバッグはもしものためにも1つは用意しておきましょう。
キャリーバッグの素材にはプラスチック・籐・布タイプがありますが、価格はどれも4,000円程度から購入することができます。
よほど猫が大きくなるか壊れない限りは使用することができますが、耐久性と運搬時の安定性を考えるとプラスチック製がおすすめです。
筆者である我が家の猫は、プラスチック製のキャリーバッグですら既に3つも破壊した強者なので、長持ちするかどうかは猫の個性によるものかもしれませんね。
爪とぎ・キャットタワー
キャットタワーは大きいものもあるため、一人暮らしの飼い主さんなら設置するスペースがないという人もいるかもしれません。キャットタワーが置けない場合は、段差をつくるように家具を配置するなど、猫が運動不足にならない工夫をしましょう。
一方で爪とぎは必ず用意したほうがベター、材質は木製・ダンボール製・布製などがありますが、猫によっても大きく好みが変わるため様子を見ながら気に入ったものを選ぶのがおすすめです。
どの材質の爪とぎを選んでも、半年から1年で損傷がひどくなるため、定期的に買い換える必要があります。安いものなら1,000円前後から購入できますが、こだわりのあるものだと中には数万円するような高価なものもあります。
平均的に考えると爪とぎにかかる費用は年間約2,000円、キャットタワーは一生涯で何度か買い替える必要があるので、1年間あたりは約5,000円程度になるでしょう。
爪切り・ブラシ・口腔ケア用品
長毛・短毛に関わらず猫は定期的なブラッシングが必要なため、猫専用のブラシも用意する必要があります。
ブラシのピン先が折れたり曲がったりした場合は、買い換えたほうがベターですが、基本的には1つ買えば数年使えるので、年間あたりの費用は500円もかからないでしょう。
爪切りはあまり古いと切れなくなるため、2~3年に1度は買い替えるのがおすすめです。猫専用の爪切りは1,000円程度で購入できるため、二枚爪防止のためにもなるべく人間用の爪切りで代用することはやめたほうが無難です。
2~3年に1度買い換えるとしても、年間あたりの費用は500円程度とほとんどかかりません。
猫の生涯に必要なもの・費用(臨時費用)
1か月当たりの飼育費用のほかに、医療費や冷暖房費、傷ついた家財の修繕費など、猫を飼う上では臨時費用も考えておかなくてはなりません。
医療費に関しては動物病院により診察代・手術代がだいぶ異なりますが、基本的にペットは保険がきかないため入院や手術になれば、数万円から数十万円かかる場合も考えられます。
また猫も熱中症などにかかるため、夏場は1日中クーラーをかけておく必要があります。最近の猛暑では夜になっても気温が下がらないため、クーラーはペットを飼ううえで必要不可欠なものになっていて、夏場の電気代は安くても10,000円程度になるでしょう。
さらに賃貸物件に住んでいる場合は、退去時に床や壁の原状回復を求められる場合もあるので、事前に契約条件や約款をよく読んでおくことも大切です。
これらの費用は一概にいくらかかると計算できるものではありませんが、もしもの場合に備えて毎月ペット専用の積立をしておくと安心ですね。
猫の一生涯にかかる費用はいくらなのか?
ここまでお話ししたように猫を飼うためにはさまざまな費用が必要で、基本的な飼育費用と夏場のクーラー代を合わせると、猫1匹の一生涯にかかる費用は約123万円になります。
これ以外に病気や怪我をすれば医療費もかかるため、実際にはもっとたくさんの費用がかかる計算になるでしょう。もしかすると、想像していた以上にお金がかかることに、驚いている人もいるかもしれません。
しかし、これらはすべて猫を飼ううえで必要不可欠なお金なので、極端に節約することは難しいと考えていたほうがいいと思います。
費用を節約したいばかりに粗悪なフードやワクチン接種を受けさせないことは、病気の原因にもなってしまい、結果的にお金がかかるだけでなく飼い主さんも猫も辛い気持ちになるので、節約は健康面をしっかり考えてから行うようにしてくださいね。
猫の医療費は高い、でも一緒にいる幸せはプライスレス!
今回この記事を執筆するにあたり、 今まであまり意識しなかった我が家にいる2匹の医療費について考えてみました。
19歳のお姉ちゃん猫は小さな時から入院や手術が多く、3歳までにかかったお金はなんと100万円を超えていました。
15歳の弟くんは喘息を抱えているため、定期的に病院に通っていて毎月5,000円の治療費がかかっています。
幸い動物病院の先生が良心的な値段で診察してくれるため、2匹のジジババ猫がいる割に医療費は安く済んでいますが、それでも20年近く育てていると自分が想像していた以上にお金がかかっていたことに少し驚いてしまいました。
猫を飼うにはお金もかかり医療費は本当に高いですが、それでも今まで一度もいやだと思ったことはありません。そのくらい猫がいる生活はわたしにとって幸せで、本当にプライスレスという感じです。
これから猫を飼いたいと考えている人は、かかる費用のことはもちろんですが、それ以外の幸せについても考えてもらえたらいいなと思っています。