マンチカンという猫を知っていますか?
よく動画などでも見かけますが、足が短くて、ちょこちょこ歩く猫ちゃんです。マンチカンの歩く姿には、キュンキュンしてしまいますよね。
では、マンチカンを飼うにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、マンチカンを飼う方法についてご紹介します。また、マンチカンの性格や飼うときの費用、かかりやすい病気についてもお伝えします。
マンチカンってどんな猫?
マンチカンの起源
1983年、アメリカのルイジアナ州で発見された猫の種類です。ブルドッグに追われて、トラックの下に逃げ込んだところを発見されました。発見した女性はその猫を「ブラックベリー」と名付けました。
その後ブラックベリーは子猫を生みます。その子猫の半数が短足だったのです。短足の子猫をその女性は、友人に譲ります。譲渡された短足の子猫「トゥールーズ」というオス猫と「ブラックベリー」がマンチカンの祖先と言われています。
その後、1980年代になり、ブリーダーにより繁殖を重ねます。1995年に、正式に「ザ・インターナショナル・キャット・アソシエーション」(TICA)から「新種」としての認定を得ました。マンチカンと言う名前は、英語で「小さい人・子供」を意味する「マンチキン」に由来しています。
マンチカンの特徴
なんといっても、マンチカンの短い足が特徴です。短足ですが、登ったり降りたりするのは支障ありません。また、短足にも関わらず意外と足も速いです。
しかし、短足と言っても、全体の30%程度が短足で、残りは他の猫と比較して足が短いという程度のものです。
足が短い順に、ラグハガー、スーパーショート、スタンダードとなっています。
マンチカンは、その見た目から「猫のダックスフント」とも呼ばれています。体形は「セミフォーリンタイプ」です。セミフォーリンはやや小さめの細み体系ながらもずっしりと重みのある体が特徴です。顔は逆三角形です。
マンチカンの毛色
マンチカンの毛色は交配を重ねたことでバリエーションも多いです。毛色や長さ、頭や耳の形など種類も豊富です。
以下は、マンチカンの毛色の例です。
- レッド系
- クリーム系
- キャリコ
- シルバー
- カメオ
- ブラック
- ホワイト
- ブルー
マンチカンの性格
人懐っこい
甘えん坊で人懐っこい性格と言われます。
甘えん坊なので、スキンシップも非常に好む傾向が強く、抱っこや撫でられることも好きな子が多いようです。もちろん個体差はありますので、無理矢理なスキンシップは避けましょう。
オスの方がメスよりも人懐っこい子が多い傾向があります。
穏やか
他の猫の種類に比べ、穏やかな子が多いので他の動物にも優しく接することが多いです。
全般的に人間の子供は嫌がる傾向がありますが、マンチカンは人間の子供でもOKという場合もあります。
オスの方がメスより穏やかな子が多いようです。
好奇心旺盛
成猫になっても、子猫のようにやんちゃで、好奇心旺盛なところがあります。
足は短くても、ジャンプしたり、登ったりとよく動くので、おもちゃで遊んであげるとよいでしょう。一緒に遊ぶことで、信頼関係を築くことにもつながります。
臆病
好奇心旺盛な反面、臆病な面もあります。
飼い主が感情的に叱ることで、恐怖を感じてしまい、信頼関係が壊れてしまうこともあります。叱るときは、「天罰方式」を取り入れるのが効果的です。
「天罰方式」とは、直接「叱る」「叩く」などはせず、見えない位置から霧吹きで水をかける方法です。嫌なこと(天罰)があると覚えることでいたずらなどをしないようにしつける方法です。
お留守番が得意
聞き分けが良く、賢い子が多いので、お留守番も大丈夫です。ただし、長くても一泊にしましょう。
お留守番のときには、たっぷりのお水(数か所に置く)、ご飯を置いておきましょう。また、温度管理に気をつけましょう。
もちろん帰ってきたら、しっかりと甘えさせてあげることが大切です。
マンチカンを飼うときに必要な費用
マンチカンの値段
子猫の場合は、5~35万円ほどです。同じ子猫でも、足が短いほど高額になります。
長めの足の子の場合は、5~10万円ほどです。短い足の子は、15~30万円ほどです。
親猫がキャットショーなどのチャンピオンになっている場合などは、値段が高くなります。成猫の場合は、子猫よりは値段が低めになる傾向があります。
餌代
選ぶフードによっても変わりますが、おおよそ月に5000円ほどです。年間にすると5~6万円くらいです。
子猫から飼う場合は、子猫専用フードにしましょう。
肥満になりやすい傾向がありますので、高脂質、高たんぱく、消化・吸収が良いフードがおすすめです。フードは必ず計量して与えましょう。
飼い始めに必要なグッズ
必要なものは、ホームセンターやインターネットでもそろえることができます。
インターネットだとサイズが分かりにくいので、注意が必要です。
ケージ(6000円くらい)
臆病な子が多いので、隠れる場所として準備しておきましょう。
足は短くても、活発なので縦構造の2段、3段タイプのものがおすすめです。
食器(1000円~5000円)
100円ショップのものでも構いませんが、食べるときにずれることを防げる重量感のあるものか、裏にゴムがついているものを準備しましょう。
水のみボウルは、遊んでいるときに、ひっくり返してしまうこともあります。給水ボトルタイプにするか、水のみボウルを何か所かに分けて置いておくようにしましょう。
トイレ用品(4000円くらい)
猫はトイレが気に入らないと粗相をすることがあります。
システムトイレやオープンタイプ、フードつきのものなど様々です。
砂は、猫ちゃんは比較的小さい粒のものを好む子が多いですが、部屋に砂が散るので、いろいろ試して、猫ちゃんが気に入るものを選びましょう。
ケア用品(5000円くらい)
ブラッシング用のブラシ、爪切り、爪とぎ、おもちゃなども必要です。
特に長毛種の場合は、こまめなブラッシングは欠かせません。爪とぎは、段ボールや麻、木の素材などいろいろな種類があります。猫ちゃんにも好みがありますので、試してみて気に入るものを探しましょう。
爪切りもギロチン式やハサミタイプなどありますが、人間の爪切りでも対応できます。ただし、人間と同じ爪切りは使わないようにしてくださいね。
他にも、歯磨き用品、シャンプーなども必要になります。
病院費用
子猫の場合は特に、突然体調が悪くなることがあります。
飼い始める前に、かかりつけの病院を探しておくことをおすすめします。
また、予防接種や避妊・去勢手術なども必要ですので、料金もチェックしておきましょう。
マンチカンがかかりやすい病気5つ
椎間板ヘルニア
「猫のダックスフント」と呼ばれるマンチカンですが、ダックスフントと同様、腰に負担がかかりやすい傾向があると言われています。
世界的な猫の登録団体のTICAは脊椎の病気になりやすいということは否定しています。
しかし、なりやすいかどうかに関わらず、腰に負担をかけることで椎間板ヘルニアになることが多いのは事実ですので、肥満にならないように注意が必要です。
外耳炎
スコティッシュフォールドとかけあわせの折れ耳・垂れ耳のマンチカンに多いです。
耳が折れている、垂れている場合、湿気がこもりやすくなるため、ダニや菌の繁殖、異物などで外耳に炎症を起こすことがあります。
まめにケアしてあげる必要がありますが、掃除のし過ぎも症状を悪化させることがありますので、獣医さんとよく相談してください。
漏斗胸(ろうときょう)
人間にもある、先天的に肋骨の一部がへこんでいる病気です。
軽度の場合はそのままでも通常の生活を送れます。
重度の場合は陥没した肋骨が、心臓や肺などを圧迫することで呼吸困難を起こす事があり、命に関わる場合があります。
子猫(3カ月以内)のうちであれば、手術で治すこともできますが、3カ月を過ぎると骨が固まってしまうため、治療が困難な病気です。
変形性関節症
関節に炎症が生じる病気です。骨軟骨形成異常という遺伝的疾患のために、短い足になったとも言われます。
骨軟骨形成異常とは遺伝子の働きにより骨が充分成長しない病気の事で、マンチカンの足が短いのはこのためだという意見もあります。
変形性関節症は、骨軟骨形成異常が悪化の原因とも考えられています。遺伝的な原因もありますが、肥満、過度の運動、加齢なども悪化原因です。
特に肥満には注意してあげましょう。
毛球症(長毛種)
マンチカンに限ってのことではありませんが、長毛種はグルーミングでお腹に飲み込んだ毛が溜まってしまい、胃や腸に詰まって便秘や嘔吐に繋がります。ひどい場合は、腸閉塞で命に関わることがあります。
毎日のこまめなブラッシングが重要です。
また、食欲がなかったり、嘔吐や下痢をしたりする場合は早めに病院に連れていきましょう。
まとめ
短い足のマンチカン。愛らしいその見た目と歩き方に魅了される人は多いでしょう。
しかしその人気ゆえに、悪質なブリーダーも後を絶たないのも現状です。飼うときには、身元や繁殖方法がはっきりと分かるマンチカンを迎えるようにしましょう。
それが、健康なマンチカンとの幸せ生活の第一歩です。